ガラスの向こう側。

rick2062008-03-16

連載「太陽を探して」〜最終回
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「ガラスの向こう側」
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去年の5月に旅したイタリアを紹介して来たこの連載。
今回で、いよいよ最終回。
前回記事は、
http://blogs.yahoo.co.jp/rick206xs/53515856.html
こちらです。
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イタリアには、貴重な、大事な、意味のある、
多くのものがあって、
それらが、ちゃんと呼吸できる国、だと思います。
イタリアには、まだまだ他にも、
行ってみたいところが山ほどあって、
きっとまた、訪れることになりそうです。
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今、連載の最後にあたり、
この旅のことを思い返しているのですが、
どの街の、どの光景も、
鮮やかに、私の中に焼きついているのを感じます。
素晴らしい景色に出会い、
素晴らしい料理に出会い、
素晴らしい人々に出会い・・・
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その旅を総括する、最後の写真。
何にしようか?と、とても悩みました。
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私は、彫刻についての専門的知識もない、
全くの素人ですが、
一番好きな彫刻と問われれば、迷いなく、
即座に、ミケランジェロピエタと答えます。
私はキリスト教徒ではありませんが、
でも、この彫刻は、
そういったこととは関係なく、
いろんなものを内包した、見事なものだと思うのです。
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どの角度から見ても、あふれ出る、マリア様の悲しみ。
物言わぬキリスト。人の世の哀れ。人の怖さ。
こんなに悲しいのに、こんなに美しい。
ミケランジェロは認めないかもしれませんが、
彼の最高傑作ではないでしょうか?
マリア様が若すぎる、とか、
キリストの体の傷が少ないとか、
いろいろ批判もあるようですが。
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この彫刻は、サンピエトロ寺院の中にあります。
前回ローマを訪れた際も、今回も、
長い間、見入っていました。
ぜひ、多くの方に、
見てもらいたいですね。
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ただ、残念なことに、
現在、この彫刻は、ガラスの向こう側、です。
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私が何かで読んで知るところだけでも、
2人も、この彫刻を壊した人間がいたため、
なんですよね。
一部が壊されて、修復されている像なんです。
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理由はともかく、
かけがえのないものを破壊することは、
許されないのですが、
強化ガラスで守ろうとするのも人間なら、
破壊を企てるのも、また人間。
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ガラスのない世界。
私はそれを、夢見ています。
人それぞれが、それぞれの価値観を抱いたまま、
だれもが、みんな、幸せである世界を。
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全14回の連載に、おつきあいいただき、
ありがとうございました。
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(終)
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大きな写真を添付している、私のヤフーでの日記はこちら↓
http://blogs.yahoo.co.jp/rick206xs