英国靴

rick2062005-12-17

あるファッション誌のコラムで、
こんな意味の文章が、紹介されていました。
それは、ファッションとしての靴を語る上で、
はずせない、2つの国、
すなわち、
英国と、イタリアの靴についてのものです。
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イタリア靴は、初めて履いた瞬間から、
まるで自分の足に吸い付いてくるような感覚でフィットし、
とても快適だ。
それに反し、英国靴は、始めのうちは、
ゴツゴツと固く、なかなか足になじまない。
しかし、時が経つにつれ、
徐々に足に応じた変化が訪れ、
最終的には、自身の足に、
最もふさわしい靴に変わる。
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私は、英国靴のファンです。
歴史が生み出した、そのフォルムの美しさは、
流行に、全く左右されることのない、
ひとつの完成形であると思っています。
そして、履き心地。
上に記した、コラムどうりの印象を、
私も持っています。
いいものを、愛着を持って、
長い間使うことを理想とする私にとって、
丈夫に作りこまれた、美しい英国靴は、
まさに理想的です。
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イタリアの靴も、
いくつか持っています。
フェラガモと、グッチのものですが、
ほんとうに、履いたその日から、
絶妙にフィットして、快適でした。
旅行の時には、よく履いて行きます。
が、
愛着と言う意味では、
英国靴のほうが、私にはあります。
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写真の靴は、
私の好きな靴屋さん。
クロケット&ジョーンズの、
ストレートチップです。
この色合い、形。
美しいと思いませんか?
ワイズはDで、6インチ。
トゥにメダリオン(丸い穴の模様)の装飾があって、
これがないほうが、私の好みなのですが、
このモデルの木型が、私に合っているので、
色違いで、黒も持っています。
この写真は、新品のときのものですが、
時間が経った靴は、私の足だけにフィットする、
特別な靴に仕上がるのです。
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ワイズがDとなると、
日本では、あまり一般的ではありませんよね。
ほとんどの靴が、EかEE。
最近では、3Eや、4Eというものまで、
ありますよね。
「日本人の足は、幅広で、甲高」というのが、
一般的に言われることだからでしょうか?
ちなみに、私は、
幅は狭いのですが、甲が高いんです。
ですから、スリップオンタイプの靴だと、
合わないことが多いのですが、
紐を結ぶタイプの靴は、うってつけです。
甲が高いので、始めのうちは、
紐の部分が開いてしまい、あまりカッコよくないのですが、
革がなじんで、伸びてくると、
徐々に、紐をきつく結べるようになり、
靴が自分の足に、完全にフィットするようになると、
ちょうど、紐も、きちんと結べるようになります。
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みなさん、革靴を選ぶとき、
おそらく、買ったその日に履きやすい靴を、
選ぶと思います。
でも、革がなじんでくると、
ゆるくなったり、していませんか?
革靴は、買うときには、
少しきついくらいにピッタリしたものを買うほうが、
いいですよ。
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男性は、少し緩めのサイズのものを選ぶ傾向があり、
だからこそ、ワイズも広いものが主流なのでしょうが、
ジャストフィットする靴の快適性というのは、
素晴らしいものです。
ぜひ、日本人の靴選びの常識が、
良化することを望みたいです。
私の職場の同僚たちも、靴を履くとき、
靴ベラを使わない人が多いですし。
つまり、緩いサイズだと言うこと。
でも、
靴を脱ぐ機会が多いのも、日本の特徴なので、
これからも、やっぱり緩めの靴を履く人が、
多いのかもしれませんが。
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それから、値段のこと。
正直、このクラスの英国靴は、高いです。
この写真の靴も、74,550円します。
でも、安い靴を何足も履き潰すより、
いいものと、長く付き合ったほうが、
満足感もあるし、値段も、最終的には、
さほど変わらないのでは?と思うのですが。
安いものを次々に消費するより、
いいものと、長く付き合うことに、
私は、価値を感じます。
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時間をかけて、つきあうこと。
第一印象のよくない相手と、向き合うこと。
実生活で、敬遠しがちになっているなぁと、
最近、感じます。
時間に追われる毎日に、
即効性のあるものばかりが、重宝がられる時代。
靴くらい、じっくりつきあえるものを、
選んでもいいと、思いませんか?
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(終)
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大きな写真を添付している、私のヤフーでの日記はこちら↓
http://blogs.yahoo.co.jp/rick206xs