蒸気。

rick2062006-08-20

連載「本当に、青い空」(本編)〜第3回
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「蒸気」
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この夏に旅した、カナダの旅行記
今回が、連載3回目になります。
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英国などで、よく聴く話ですが、
住んでいる家が、100年以上前に建てられたもので、
おじいさんの代から住んでいる、とか、
ありますよね?
日本の場合、どうなんだろう?と、
考えてしまいます。
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もちろん、石造りの家と、
日本の木造家屋との差は否めません。
でも、スタンスと言うか・・・
大都会東京の中に、例えば、
江戸時代、明治時代の町並みを保存しようと言うような、
そんな場所が、あるでしょうか?
関東大震災東京大空襲、敗戦。
それらを含めて考えてみても、あまりにも、
少ないような気がします。
日本は、代々受け継いできた、受け継いでいくべき、
大切な文化を、
いつのまにか、捨てて、
もしくは、意図的に捨てさせられて、
今に至っているのかもしれないと、よく思います。
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さて、今回紹介するのは、
大都会バンクーバーの、発祥の地である、
ギャスタウンです。
かなり観光地化されてはいますが、
その時代の香りを残そうと、努力している様がわかります。
Yahooのほうの2枚目の写真が、
その頃の、レンガ造りの建物です。
私は、旧時代のものを守りつつ、
そこで現地の人々の実際の生活が、
未だに息づいている場所が好きです。
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ギャスタウン名物になっているものがあります。
それが、写真の、蒸気時計です。
15分置きに、蒸気笛による音が鳴るしくみで、
多くの観光客が、時計を取り囲んでいます。
小さい時計なんですけどね。
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日本から持ってきたガイドブックに、
これと同じものを、カナダの職人に、
日本の小樽で作らせている、と、
紹介されていました。
私の故郷である千葉県の、南端にも、
シンガポール政府公認の、
マーライオンのミニチュア版があったなぁと、
ふと思い出しました。
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東京や神奈川の街で、
阿波踊りが行われています。
クリスマスやハロウィーンのディスプレイは、
もはや日本の街々に、定着していると言っていいでしょう。
そのどれもを、非難するつもりは、
毛頭ありません。
でも、
その変わりに、何かを失っているとしたら、
それは、とても残念なことだと思います。
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ギャスタウンの蒸気時計が、5時15分になって、
少し間の抜けた、蒸気笛の音が響いたとき、
小樽の時計は、9時15分を告げているんだなぁと、
当たり前のことを考えました。
蒸気は、白い煙を辺りに撒き散らし、
音は四方に響きますが、
それらは、いつか、消えて、無くなります。
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考えすぎだと笑われるでしょうが、
私は、少し心配になりました。
この蒸気のように、
もう既に、大切な何かが、
消えてなくなっているのではないか、
そしれそれは、
さらに失われ続けているのではないか、と。
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旅に出たとき、
目の前の美しいもの、感動的なものに接しつつ、
自分の国の事象を、誇らしく思ったり、逆に、
情けなく思ったりすることがあります。
それもまた、旅のよさだと思うのですが、
最近は、日本について、
否定的な思いを抱くことの方が多いのが残念です。
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バンクーバーの紹介、
あまりいい記事がなくて恐縮です。
この街自体は、すばらしい街だと思っていますので、
どうか、誤解しないでくださいね。
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(終)
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大きな写真を添付している、私のヤフーでの日記はこちら↓
http://blogs.yahoo.co.jp/rick206xs