世界で一番。

rick2062007-06-03

連載「太陽を探して」〜第3回
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「世界で一番」
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5月に旅したイタリアを紹介しています。
今回が、連載第3回。
前回記事は、
http://blogs.yahoo.co.jp/rick206xs/48789409.html
こちらです。
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前回、私が見たいと切望していた、
ミラノのドゥオモを紹介しました。
今回は、そのすぐ側にある、
これもまた、有名なものを紹介します。
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私、世界一だと思うんです。
ヴィットリオ・エマヌエーレ2世のガッレリア。
これほどまでに、美しいアーケードを、私は知りません。
この、芸術品と言っていい建造物は、
今でもミラノの中で、実際に、「生きて」います。
カフェ、ブティック、レストラン。
様々な店が、実際に営業していて、多くの人々が行き来して。
私は、こんなふうに、
人々の暮らしの中で息づく美しいもの、が、好きです。
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上の写真は、アーケードの中心部の交差点で撮影しています。
ガラス張りの、アーチ状天井。
形状の美しさと、空の色を写す透明なガラス。
素晴らしいです。
下の写真は、アーケードの外側から撮影したもの。
この撮影位置からは、右手側に、
前回紹介した、ドゥオモが見えています。
この入り口から入って、アーケードを逆側まで通り抜けると、
そこには、有名なスカラ座があります。
位置関係、ご理解いただけますでしょうか?
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このアーケードができたのは、1877年だそうです。
日本では、明治10年で、西南戦争があった年になります。
130年の時間を経て、世界中に様々なアーケードができてもなお、
このガッレリアの美しさは、群を抜いている気がします。
雨降りのミラノを歩き、ここに入って傘をたたみ、
天井のガラス越しに曇天を仰ぎ見たとき、
このアーケードの、存在について、
いろんな想いが浮かんできました。
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私の育った千葉県中央部の街にも、
私が小学校の頃に、駅前の商店街がアーケードになりました。
道路全面に屋根があるタイプのもので、
とても賑やかで、人通りも多いところでした。
雨が降っても傘を差さずに買い物ができて、とても便利に思ったものです。
それから月日が経ち、
駅前よりも、郊外型の大型ショッピングモールに客が流れ、
人気の落ちた商店街にシャッターの下りた店が増えて、
利点であった屋根は、昼間でも店先を薄暗くしてしまう日覆いに過ぎなくなってしまい、
維持費のこともあって、数年前、
撤去されました。
ほんの、20年ほどの間だけ、存在したことになります。
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このガッレリアが見つめた130年は、どうだったのでしょう?
先の大戦の戦禍により、街の大部分を失ったミラノ。
決して、平穏とはいえなかった時代を経ても、
しっかりと、現代に息づいているんですよね。
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守られる必要のあるもの。
守ろうと思わせるもの。
必然的に、存在すべきであると認められるもの。
このアーケードが、多くの「意味」に支えられて、
今まで存在し続け、これからもきっと、
存在し続けるであろうことを、
実際にここを歩きながら、思いました。
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イタリアには、様々な、いい意味での、
かけがえのない、「世界で一番」が、たくさんあります。
このガッレリアもまた、そんなものの一つ、ではないでしょうか?
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(終)
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大きな写真を添付している、私のヤフーでの日記はこちら↓
http://blogs.yahoo.co.jp/rick206xs