地球が球である限り。

rick2062007-08-29

連載「やわらかな青」〜第4回
-
「地球が球である限り」
-
8月に旅したフランスを紹介する連載。
今回は、第4回。
前回記事は、
http://blogs.yahoo.co.jp/rick206xs/50631438.html
こちらです。
-
今現在、二つの海外旅行記の連載をしています。
イタリア旅行記と、フランス旅行記です。
イタリアのほうは、有名観光スポットを中心に、
写真、記事を構成しています。
ので、フランスのほうは、
少し、個人的な視点から撮影した写真を、
入れていきたいと思っています。
-
で、本文を。
-
前回記事で紹介したジベルニーから、
さらに、セーヌ川に沿って、北へ。
ノルマンディ地方の、穏やかに波打つ大地に、
白と茶の、ブチの牛が、のんびりと、草を食む姿。
いい形の雲が、やわらかな青に縁取られ、
その大地の上にあって。
-
どこまでも広がる牧草地帯の中に、
ポツポツと、建築物が増え始め、
車窓の田園風景が、徐々に街の景色に変わる頃、
ハッと目を引く、尖塔が。
-
オート・ノルマンディの首府、ルーアン
旧市街の町並みの美しさは格別です。
街の中心に、大聖堂があって、
その尖塔の高さは152メートル。
独特の、鋭利な形状の美。
ため息が出ます。
-
大聖堂の側面から、教会内部に入ろうとしたとき、
ふと尖塔を見上げると、太陽と交差し、
美しく輝いていました。
その時の写真が、今回のもの。
一瞬、立ち止まって、見つめながら、
頭の中で、ある想いが巡りました。
-
ルーアンは、セーヌ川に面した交通の要衝であり、
歴史に翻弄された、ノルマンディの中心都市です。
様々な勢力が、攻防を繰り返し、
街の支配者が、次々に変わっています。
争いの渦の中、人々は、
どんな思いで、日々を送っていたのでしょう?
美しい街の、平和な日々と、抗争の日々。
光と、影。
-
尖塔からこぼれる、陽の光と、
その影を見つめている時、
地球が、球形をしている限り、
光の当たるところと、影の部分が、
必ず、半分ずつ、存在するんだな、という、
ま、あたりまえと言えば言える考えが。
光と影は、必ず同時に存在する。
今は、まばゆい輝きの中にあっても、
影の時代の香りは、消えることなく、
どこかに潜んでいる気がして。
-
今の日本は??
一見、光り輝く平和な時代に見えて、
徐々に、影が差していくような気がしています。
それも自然の法則。光あれば影あり。と、
言ってしまえば、それまでなのでしょうが、
とてつもない不安が、私の頭を支配することがあります。
尖塔の、光と影を見つめた後、教会の中を歩きながら、
私は、自国の将来に、不安を感じ続けていました。
-
(終)
-
大きな写真を添付している、私のヤフーでの日記はこちら↓
http://blogs.yahoo.co.jp/rick206xs