土星の花

rick2062005-05-08

子供の頃に、
2人でする遊びの一つとして、
原っぱにたくさん生えているこの草の、
花枝の部分を、それぞれとって、2つ折りにし、
その折った部分を交差させて、
自分の草の、折った両端を持った状態で、
2人同時に、引っ張ります。
どちらかの花枝が切れるわけですが、
切れたほうが負け。
こんな遊び、経験ありますか?
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この花の名前、
へらおおばこ、と言います。
大葉子の仲間です。
葉の形が、へらに似ていることから、
この名前がついています。
この花、よく見ると、
土星と、その輪に、見えませんか?
ありふれた草なので、
あまり、まじまじとは見ないと思うのですが、
結構、味のある花が咲いてるんです。
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例えば、庭に生えてきたりしたら、
容赦なく、引き抜かれる植物と、
お店で商品として売られ、買った人の庭で、
日当たりのいい場所に植えられ、肥料を与えられる植物。
その違いは、なんでしょう?
人間が、好む植物か、そうでないか、
という差でしかないんでしょうね。
植物にしてみれば、理不尽な話です。
でも、自ら動くことのできない植物には、
その、人の容赦ない態度に対抗する術は、
その庭においては、ないんです。
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でも、一般的に、
人に好まれ、大事にされた植物は、
だんだん、ひ弱になっていくのに対し、
人から疎まれ、容赦なく引き抜かれた植物は、
より過酷な環境でも生きられるよう、強くなります。
皮肉ですよね。
ここから、
何かが学び取れる気が、しないでもありません。
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私が毎日歩く、ハナミズキの並木道。
その、木の根元に咲いた、この、へらおおばこの花。
私が写真を撮ったのは、ウチの猫、ななのために、
ペットショップに行く途中の、5月の3日。
それが、昨日、5月5日の午後に、
同じ場所を通ったときには、
すべて、キレイに、引き抜かれていました。
でも、根の一部が残っているか、
もしくは、
この写真のように咲いた花から成熟した種により、
きっとまた、
同じ場所に、芽吹くのでしょう。
丸裸になった、土だけの木の根元を見ながら、
おとといまでは、まちがいなくそこに咲いていた、
土星の花を、思い浮かべました。
いろんなことを、考えさせられた午後でした。
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(終)
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大きな写真を添付している、私のヤフーでの日記はこちら↓
http://blogs.yahoo.co.jp/rick206xs