丘の上の松。

rick2062006-02-10

故郷の九十九里には、
広い空がありました。
山のない、平坦な土地ですから、
視界の上半分が、
見渡す限り、空の色だったのです。
-
懐かしい建物、友人、
そして、
全国的に有名な、どこまでも続く、砂浜。
どれもみな、かけがえのない、
ふるさとの宝物ですが、
最近私は、
あの、広々とした空もまた、
得がたい大事な光景だったのだと、
思うようになりました。
-
今回の写真は、
二子玉川商店街の様子です。
この街を訪れる方も、
なかなかこちらまで、
足を伸ばすことはないでしょうが、
おいしい食べ物の店も多いんですよ。
こうやって、改めて見てみると、
なんともまぁ、雑然としているので驚きますが。
東京の、他の街にある、昔ながらの商店街も、
ここと同様なのでしょうね。
-
空が、狭いんです。
-
写真の中央やや左寄り、
二子玉川商店街の看板の上に、
一本の松があります。
わかりますか?
二子玉川近辺の、世田谷区玉川の地は、
多摩川の河岸の平地です。
もともとの台地である、土地との高低差があって、
その境目が、急坂になっています。
国分寺稜線と言われるその急坂の、
坂上に、その松は生えています。
わかりずらいので、Yahooのほうには、
2枚目の写真として、矢印をつけたものを、
載せていますので、参考にしてください。
-
この、雑多な人工物がなかったなら、
この道は、丘の上の松へ向かう道、ですよね。
-
丸の内のビルの森。
郊外の工場地帯の灰色の崖。
アーケード、地下街。
空が狭い、空がない・・・
そんな場所で、私は生活しているんですね。
-
地方へ行き、おいしい空気を、
深呼吸して、胸いっぱいに吸収するように、
広々とした場所にいるときは、
思いっきり上空を見上げて、
目に入る、全ての空を、
深く感じるようにしたい。
そう、思うようになりました。
そうやって、私は、
自分の中の、何かのバランスを、
整えているのかもしれません。
-
二子玉川商店街を歩いているとき、
私は、強く意識します。
この道は、丘の上の松へ、向かう道。
そして、自問してみます。
あの店の向こうには、大きな雲が隠れてない?
何か、見えずらくなっているものはない?
-
目に見える世界は、常に「一部分」でしかなく、
ほんとは、もっともっと、
空は、広いはずなんです。
情報過多であるがゆえに、
見えずらくなっているもの。
狭い空を見ていると、いろいろ、
考えさせられます。
-
(終)
-
大きな写真を添付している、私のヤフーでの日記はこちら↓
http://blogs.yahoo.co.jp/rick206xs