この花に、謝らないと。〜最終回

rick2062006-04-19

JR相模線って、ご存知でしょうか?
神奈川県の茅ヶ崎と、橋本を結ぶローカル線で、
4両編成の電車。
ドアは、開けるときにボタンを押す、半自動。
途中、無人駅もある路線です。
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最近、仕事で、
その無人駅の一つに降り立ったことがありました。
電車の本数が少ないため、先方との約束の時間まで、
まだ少し、余裕のある時間に、駅に着きました。
気持ちよく晴れた日で、駅を降りると、そこには何もなく、
ただ、休耕田と思われる、草の生い茂る原っぱだけが、
広がっていました。
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普通の人なら、約束の時間まで、
どうやって、時間を潰そうかと、悩むところでしょうが、
野に咲く花が好きな私にとっては、
願ってもないことで。(笑)
地元の高校生たちの、白い目に耐えながら、
原っぱの中の、草花たちを、カメラ片手に、
見て回りました。
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いろんな花が咲いていました。
春の中を、ふんわり漂う時間。
季節の香りを感じることが出来ました。
中でも・・・今回の写真。ご覧ください。
写っている、白い花は、すべて、ナズナ
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ペンペン草とも呼ばれるナズナは、
日本全国、あちこちの野原で、
必ず見かける、野の花の代表のような植物ですね。
でも、私は、
これだけナズナが、群生している姿を、
初めて見ました。
壮観でした。
長い間、じっと、その姿を見ていました。
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この光景を見ていたとき、ふと思ったんです。
私、今まで、ナズナの写真、撮ったこと、
あったかな?と。
この、全体の写真を撮った後、
1つの花柄に注目してみました。
カメラを構える前に、その姿をじっと見たとき、
あぁ、私は、
この花に、謝らないといけないなぁと、
思ったのです。
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私は、子供の頃から、この花を見てきました。
手にとって、その種で遊んだりしたことも。
でも、貧乏草と呼ばれていたナズナを、
花として、じっくり観察したことは、
なかった気がします。
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その、理由を考えたとき、
自分の中の、偏見を、
初めて強く、意識したのです。
ナズナは、どこにでも咲いている、珍しくもない花。
貧乏草なんて、わざわざ見なくても・・・
私の無意識の部分が、
私の行動を制限させていた事実。
普段から、気をつけているつもりなのに、
しかも、自分の好きな野の花についてさえ。
少し、怖くなりました。
無意識に、この花を見ていなかった自分が。
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花によっては、蕾が、淡いピンク色であること。
一輪一輪の花の、かわいらしさ。
特徴である、種の形の愛らしさ。
改めて、ナズナの花を確かめていく作業は、
歓び、驚き、反省と、
いろんな感情が交錯するものとなりました。
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心の中で、この花に、謝りながら、
自分自身の無意識に、
語りかけてみる必要を感じました。
偏見を持つことで、行動や感情が拘束されてしまうのは、
よくないことだと、ずっと思って来た私。
ただ、自分の中にある偏見を、
意識できていないとしたら・・・
無意識の中に隠れてしまっていたら、
対応しようがないんですよね。
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ナズナに、教えられた気がしました。
ゴメンナサイと、アリガトウを、
言わなくちゃいけませんね。
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皆さんの、身近なところに、
きっと咲いている、ナズナの白い花。
機会があったら、ぜひ、じっくり見てみてくださいね。
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(終)
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大きな写真を添付している、私のヤフーでの日記はこちら↓
http://blogs.yahoo.co.jp/rick206xs