傾きが止まるとき。

rick2062007-07-27

連載「太陽を探して」〜第8回
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「傾きが止まるとき」
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5月に旅したイタリアを紹介しています。
今回が、連載第8回。
前回記事は、
http://blogs.yahoo.co.jp/rick206xs/49844652.html
こちらです。
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ここのところ、ブログ更新をサボっていたため、
ご心配をおかけしました。
私、元気にしております。
実は先週、TOEIC試験を受けておりまして。
今回は、難しかったので、テンションも上がらず、
疲れ果ててしまって。
次回、9月に受験するのですが、
そのときは、ベストスコアを更新したいです!
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では、本題に戻りまして。
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前回で、フィレンツェの紹介を終えまして、
今回は、近郊の海沿いの街、ピサを紹介します。
そう。例の塔で有名な街、です。
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前回写真でも紹介した、
フィレンツェを流れるヤルノ川が、
ティレニア海に注ぐところ。
かつて、ジェノヴァアマルフィヴェネツィアなどと共に
有名な海運共和国のひとつであったのが、
ピサ、です。
1406年にフィレンツェに降伏後は、
一時1500年前後に独立したことはありましたが、
他国の支配を受けてきた街です。
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ピサと言えば、何と言っても、
あの、世界遺産が有名ですね。
そう。ピサの斜塔
実際に世界遺産に登録されているのは、
ドゥオモ広場全体で、
広場は、ドゥオモ(大聖堂)を中心に、洗礼堂、
そして、鐘楼である、ピサの斜塔などがあります。
今回の写真が、ピサの斜塔
Yahoo!ブログで紹介している、
下の写真が、広場の主要な建物の全景で、
手前から、洗礼堂、大聖堂、鐘楼、です。
いずれも、11世紀から14世紀くらいに建設されたのですが、
どうでしょう?この美しさ。
最近建てられたものだと言っても、
通じそうですよね?
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ピサの街は、砂地なので、
建物が傾きやすいんですね。
実は、斜塔だけではなく、ドゥオモも洗礼堂も、傾いているんですよ。
でも、鐘楼の傾きは、格別、ですよね。
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実は、この鐘楼は、
1173年に建設が開始されるのですが、
建設中に塔が傾き始めたため、工事が中止されます。
約百年後に、傾きを考慮しつつ、工事が再開されるのですが、
傾きが進行したため、またしても工事は中止。
3度目の工事は、それからまた約80年後。
傾いた部分をそのままに、バナナ型に上の部分を水平にすることで、
工事を再開し、1372年、やっと完成したものです。
塔が真っ直ぐではなく、バナナ型になっているの、
写真でも分かると思います。
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完成後も、塔の傾きは進みましたが、
現在は、地盤の対策工事を終え、バランスのいい位置まで傾斜を戻し、
安定したとのことです。
写真のように、まだ傾いていますが、
バナナ型の建物のため、この角度が、
この建築物としては、最もバランスのいい角度だそうで。
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ピサといえば、ガリレオ・ガリレイ
この街の出身で、
この斜塔の上から、物理実験をしたことがあると伝えられますが、
それはどうやら、作り話だそうですね。
でも、この広場にある洗礼堂で、彼も洗礼を受けた、
というのは、事実だそうです。
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この塔を、実際に自分の目で眺めていると、
なんだか不思議な気分になります。
傾いているけれど、これがベストの位置。
それは、永い時間をかけた、世代を超えた人々の努力の跡。
バランスって、こういうものなのかも知れない、とも、
思いました。
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今、地球温暖化が叫ばれています。
二酸化炭素排出量を減らす努力が必要で、
そのために、こまめにコンセントを抜きましょうとか、
いろいろと、エコに向けた努力をしようと。
もちろん、そのことには、全面的に賛成ですし、
私自身も、できる努力をしているつもりです。
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ただ、間違った考え方を正す必要もありますね。
例えば、ゴミ袋を無駄使いしないために、
一度使ったものを、水洗いして、
もう一度使う、という人がいるとします。
水道水を使い、洗剤を使い、それが排水となって、
環境に与える影響を考慮すると、
使い捨てた方が、むしろエコかもしれないわけで、
そう言った知識の普及も、必要かもしれません。
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が、しかし、
それ以上に、思うことは、
つくづく、根本的なところで、
問題解決に向けた何か、が、
必要なのでは?と、言うことです。
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私たち日本人が、仮に6%の約束を果たせたとしても、
人口の多い中国やインドの方々の生活水準が上がって、
彼らが、今の私たち日本人と同等の暮らしをするとしたら、
どれくらいの二酸化炭素が増加することでしょう?
コンセントを抜くくらいで、どうにかなるレベルではないのです。
根本的な、技術革新のようなもの、が、
開発されない限り、
解決方法はないのかもしれない、と、
思うことが、最近多いです。
もちろん、だからと言って、
エコへの努力を怠るつもりは、ありませんが。
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ピサの斜塔は、
時代時代で、考え付くベストの方法で、
工事を行い、完成させ、
傾きを止めることができました。
地球温暖化も、止めることができるでしょうか?
ひょっとしたら、もう、
人の手で修復できる臨界点を超えて、
倒れてしまうのを待つしかないところまで、
その傾きが、来てしまっていないかと、
不安になることがあります。
写真のように、不思議なバランスの中にある、
ピサの斜塔を眺めているとき、
心の底から、環境問題が心配になったと同時に、
この塔のように、人は、
傾きをとめる技術を開発できると、
信じてみたいと思いました。
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キセキのような塔は、私に、
いろんなことを、考えさせてくれました。
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(終)
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大きな写真を添付している、私のヤフーでの日記はこちら↓
http://blogs.yahoo.co.jp/rick206xs